水はけの良い畑は高品質のワインを作り出すのか⁉︎水はけの良い畑とぶどう栽培

      2017/11/02

畑の水はけが重要視される理由

世界のワイン産地全てに言えることですが、隣り合う二つの畑からそれぞれ造られるワインが全く違うワインになることがよくあります。

隣接する畑であれば、気象条件(降雨量や日照量)は全く同じと考えることできるので、土壌の産がワインの差(品質や個性)につながっていると考えることができます。

土壌の役割は、ぶどう樹に水分と栄養分を与えることです。

高品質のぶどうの果実を作るためには、水分、栄養分ともに少し不足気味くらいの方が良い結果がでます。

ヨーロッパでは一般的に痩せた水はけの良い土壌を持つ畑が、それぞれの産地でもっとも優れた畑とみなされています。

水はけがヨーロッパで重要視されるのは収穫時期に雨が降るためです。

水はけの良い土壌の畑ほど、秋の雨の影響を受けずに済み、熟度の高いぶどうができます。






また、色付き(ヴェレゾン)時期以降はぶどう樹に適度な水分ストレスがかかる方が良いため、土壌の水はけが重要視されています。

また、水分が土壌中に多いとぶどうは果実ではなく、枝葉を伸ばす方向にエネルギーを使ってしまいます。これを栄養生殖と言います。
栄養生殖と有性生殖についてはこちらの良質なワイン用ぶどうを作るために必要なことをご覧ください。

土壌中の栄養分についても同じことが言えますが、例外もあり水はけの悪い畑や栄養分の多すぎる畑の全てが駄目な畑とは言えません。

日本の宮崎県の都農ワイナリーの畑はとても栄養分がありますが、造られるワインは高評価を得ています。

また、ぶどうの生育期間にはほとんど雨が降らず、灌漑によってぶどうへの水分供給をコントロールしているアルゼンチンなど、ヨーロッパ以外の産地では、ヨーロッパほど水はけの良し悪しは重要視されていません。

それぞれの産地で栽培法に工夫を凝らし、年々高品質なワインがあちらこちらで生産されています。

不作年のワインほど面白い

ヨーロッパでは不作の年ほど良い畑と悪い畑の差が出やすいと言われています。

これは不作年がたいてい収穫時期に大雨が降った年だからです。

雨が降っても水はけの良い土壌では水分が下の方に抜けていくのが早く、ぶどうの樹は根から吸い上げる水分量はさほど多くなく、ぶどうの果実に供給される水分量もさほど多くなりません。

一方、水はけの悪い土壌では水分が残りやすくぶどうの樹が水分を吸い上げる量が多くなり、凝縮していた果汁に水分が加わり薄まってしまいます。

このように土壌の違いによりワインの出来に違いが出ることも多々あります。

まとめ

  • 水はけがヨーロッパで重要視されるのは収穫時期に雨が降るため
  • 水はけの良い土壌の畑ほど、秋の雨の影響を受けずに済み、熟度の高いぶどうができる
  • ヨーロッパでは一般的に痩せた水はけの良い土壌を持つ畑が、それぞれの産地でもっとも優れた畑とされます
  • 色付き(ヴェレゾン)時期以降はぶどう樹に適度な水分ストレスがかかる方が良い
  • 高品質のぶどうの果実を作るためには、水分、栄養分ともに少し不足気味くらいの方が良い

ワイン用ぶどうには適度なストレスがかかるほうが良質なぶどうが作られることが定説となっています。フランスのワインの生産者が来日した時もブドウ栽培において適度にストレスを与えることは重要であるといっていました。ヨーロッパで偉大な土地は斜面の土地が多くあります。こちらのぶどう畑と斜面の関係の記事も合わせてご覧ください。

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