ワイン醸造工程のマロラクティック発酵とは?
2017/11/02
ワイン醸造工程のマロラクティック発酵とはどのようなものなのでしょうか。
マロラクティックという言葉は造語で、リンゴ酸を英語でマリック・アシッド(Malic Acid)、乳酸は英語でラクティック・アシッド(Lactic Acid)です。
マロラクティック発酵は乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸と二酸化炭素にかわる反応なので、それぞれの酸の名前を引っ付けてマロラクティック(Malolactic)という言葉が作られました。
マロラクティック発酵の効果
①酸味が柔らかく変化する
乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸と二酸化炭素に変化することにより角がとれワインに丸みが出ます。
②風味の複雑性が増す<
マロラクティック発酵を経たワインには、バターバタースコッチのような香りがします。特にシャルドネなどの白ワインで感じることが多くあります。マロラクティック発酵中に微量に生成されるダイアセチルという化合物によるものです。ナッツのような香りと表現されることもあります。
白ワインと赤ワインのマロラクティック発酵
赤ワインには渋みがあるため、酸味が控えめでまろやかなほうが味のバランスが良くなるためほぼ全ての赤ワインはマロラクティック発酵を行います。
白ワインでは、品種や産地の気候に応じてマロラクティック発酵を行うかは生産者がコントロールしています。
白ワインにおけるマロラクティック発酵を生産者がコントロールする理由
①白ワインにおける酸味は味のバランスを左右する重要なポイント
酸味の減少が産地により望まれない場合があります。温暖な気候のもとブドウの栽培を行っていると原料のブドウに酸がのりにくいということがあります。酸味が極端に少ない白ワインはぼやっとした味わいにしかなりません。
②まろやかな乳酸よりもシャープなリンゴ酸
ふたつ目はワインによりまろやかな乳酸よりもシャープなリンゴ酸のほうが味わいが好ましいと判断するとマロラクティック発酵は行いません。